先日、日テレ系、ニュースゼロにおいて
30才女性歯科医(浪人、留年が無い場合、臨床研修終了後4年目~5年目?の若手歯科医)
が、医院名無し、顔だし無し(モザイク?)でその女性歯科医の現状、インタビューが報道されていました。
→正しい医学的見解、臨床経験、自分の考えに知識と信念があるなら、顔も医院名も隠すのも少し不自然な感じはしましたが、、、
内容としては
30歳女性歯科医(院長?)の3つの主張
1
「歯周病治療、クリーニング、フッ素など99%?不要不急で患者さんに必要性がない」
→全身疾患と歯周病の関係、口腔ケアの必要性、誤嚥性肺炎、免疫力との関連性などご存知でしょうか?
たしかに不急でないケースもあるでしょうし、早めに短期的にでも治療した方が良いケースやあまり期間をあけないほうが良いケース、逆に少し先送りにしても比較的影響の少ないケース、通院間隔を少し長めに変更してもよいケースなど、様々あると思います。
やはり自己判断はできるだけ避け、あくまでも患者さまと医師が相談した上で個々の状態にあわせて、受診の必要性、急用性、治療計画は変わってくるので、まずは相談していだき、信頼関係をもって治療計画や通院間隔などを決定することか大切かと。
2
「患者さんが多くきて押し寄せ、困ってるから歯医者さんにできるだけきてほしくない??」
→それならご自身の医院の予約の内容の制限、受付患者数を制限する、病院を休診にする、等、対策をとられてはいかがでしょうか?
3
「衛生士は患者さん増えるし、感染も怖いし泣いてしまっている子もいて困る」
→感染対策はしっかり行っているのでしょうか?スタッフに感染予防の徹底や教育は医院として行っているのでしょうか?医院として、国家資格のある医療人として、可能な限りの感染対策努力をしても、泣かないと仕事ができない状況で、強制労働をスタッフにさせているのでしょうか?看護師、衛生士も生活や考え方はあると思うので、希望があれば休暇を与える労働環境は整っていないのでしょうか?スタッフも休職すること、有給休暇などをとることも許されない医院なのでしょうか?
疑問が残るばかりですが、、
というような主旨の回答、インタビューでした。
実際にこれに対して
これは大学データや文献、臨床歯周病学会等でも発表されていますが、
お口の中の汚れ、細菌が増殖すると、細菌が血液を経由して全身へ流れ、感染性心内膜炎、糖尿病(歯周病と糖尿病の相関関係はかなり有名な話です)などのリスクを増大させる可能性があります。
また歯周病原因菌により動脈硬化を誘導する脂肪性物質が血管内に沈着することで、血液の流れが悪くなり、脳梗塞、心筋梗塞などのリスクも増大させます。
高齢者において口腔ケアが不十分だと誤嚥性肺炎により危険な事態にもなりかねないことは伝えられています。
他にも様々な歯周病、歯肉炎などと全身の健康の関連性、免疫力との繋がりを示すデータはありますが、、
いずれにせよ、一部繰り返しになりますが、
お口の健康を損なうことで、結果、免疫力が低下し、全身の健康を損なったり、他の病気の感染確率をあげてしまう可能性もあることは事実です。
もちろん、患者様個人の口内環境、全身の健康状態、等により必要性は変わりますし、不急ではない治療、逆に早めのほうが良い場合、色々なケースもあるため、しっかりその状態、旨を伝え、必要性、通院期間、などは変わってくるので、すべてが、緊急、急用というわけではないですが、医学的な必要性、通院頻度等は、医師と患者様の状態、希望などをすり合わせし、信頼関係において判断していくべきものだと考えられます。
そのためにも、我ら医療スタッフは出来る限り、感染対策の対策、努力をした上で、治療内容も個々の状態にあわせ、必要性を考え日々努めております。
報道にあった30歳女性歯科医の発言は、どれほどの、知識、経験をもとに責任ある発言をされたかは不明ですが、、かなり持論の偏った発言である可能性が高いと考えられることから非常に疑問と、偏った報道の可能性、危険性を感じましたので、皆様には正しい知識をもっていただきたく、その上で、感染対策に努めていただきますことを切にねがいます。